#3 Van Gogh AiR / オランダ
nest talk #3 を
<Spotify >
で聴く。
第3回は世界で最も有名な画家の一人である、フィンセント・ファン・ゴッホの生家で現在はファン・ゴッホ・ハウス美術館が運営するアーティスト・イン・レジデンス「Van Gogh AiR」を訪ね、館長のロンさんとキュレーターのエヴァさんに Van Gogh AiR についてお話を伺います。そして、Van Gogh AiR からアートパフィンのメンバーの皆さまへ、と貴重なデジタル図録をプレゼントしていただきました。記事の最後にあるリンクから閲覧&ダウンロードができますので是非お楽しみください。
——— まずこのレジデンシー・プログラムについてお話を始める前に、お二人の自己紹介をお願いできますか?
エヴァ:
エヴァ・ヘーネ(Eva Geene)です。Van Gogh Airのアーティスト・イン・レジデンスのキュレーターを務めています。プログラムの立ち上げ当初からこの仕事をしています。私たちはフィンセント・ファン・ゴッホの生誕地にある美術館で活動しています。彼が生まれ、16年間過ごした場所です。このレジデンシー・プログラムは、もう15年近く続いています。美術館では、ゴッホの作品のテーマや彼に影響を受けたアーティストに基づいた展覧会も開催しています。
ロン:
私はロン・デルフェン(Ron Dirven)です。Van Gogh Houseのディレクターであり、エヴァと共にこのレジデンシー・プログラムのキュレーターも務めています。ここでは展覧会を開催しており、常設展としてゴッホの遺産についての展示を行っています。また、現代のアーティストがゴッホから影響を受けた作品も展示しています。そのためにレジデンシー・プログラムを運営しており、アーティスト用のスタジオを2つ設けています。一つはすぐ近くの教会管理人の家にあり、もう一つは風景の中にある、古いフランドルの納屋にあります。このスタジオを使って、ここでの展覧会だけでなく、他の場所でも展示を行っています。
——— このプログラムの目的について、もう少し詳しく説明していただけますか?
エヴァ:
はい。フィンセント・ファン・ゴッホはこのズンデルトという場所で生まれ、大きな部分をここで過ごしました。彼はこの地での思い出を良く覚えていて、たくさん歩き回り、兄弟姉妹たちと楽しい時間を過ごしていました。
生家そのものはもう残っていませんが、その精神は今もここに息づいています。
私たちがこのプログラムで目指しているのは、ゴッホが今もある意味「生きている」ということを示すことです。彼のインスピレーションや創作への姿勢は、他の人々を通して今も生き続けているんです。
ロン:
そうですね、もちろんゴッホは歴史的な人物で、19世紀の人間です。でもある意味、彼はいまなお「現代的」だと思います。多くの人々にとって、今でも心を惹かれる存在です。このレジデンシー・プログラムを通して、私たちはゴッホを現代の世代、特に若い世代やこれからの新しい世代と結びつけたいと考えています。それが、ゴッホの遺産を今も意味あるものとして保ち続ける良い方法だと思っています。
さらに、彼はとても多くの手紙を残してくれたので、彼の気持ちや若い頃の生活についてもよく知ることができます。そのようなゴッホの個人的な側面や生きた風景を、アーティストたちがこの土地とつながることで体感し、表現していくことが大切だと考えています。