Chit chat

Chit chatは公募にまつわる雑談をメインにアートパフィン運営チームが「皆さんに知っておいてほしい」「意外と知られてないんじゃないの」というトピックを取り上げています。


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3. 声を大にして伝えたい出版系公募のススメ

出版系公募、実はとってもチャンスなんです。

日本にもアート専門誌、アート情報メディアなどいくつかあると思います。ただ、日本の人口プラス何人の潜在読者がいるか想像してみてください。日本語をめちゃくちゃ勉強して漢字がわかる人でアートに興味があって日本語のアートメディアに辿り着くか、日本から取り寄せる、もしくは訪日に合わせて日本メディアの情報を多言語でどうにか検索して辿り着く人のことです。

さて、外国語ではどうでしょう。まず英語・スペイン語ネイティブ話者が約4億人ずついます。それプラス、多くの国で英語学習をカリキュラムに組み込んでいます。そうなると英語の雑誌を読める人は…もうすごい数です。

つまり何が言いたいかというと、英語のアート専門誌・メディアに掲載されることは国際的な露出・広告と同義なのです。SNSでいくら自ら世界に発信できるようになった時代であろうと、SNSをやっていなかったり、敬遠しているアートプロフェッショナル・コレクター達は少なからずいます。事実、筆者の友人でもSNSはやっていないが、過去に専門誌や新聞で特集してもらった事によって顧客からの問い合わせが絶えないというアーティストがいます。また、そういったメディアが紹介するアーティストであることで、アートプロフェッショナル・コレクター達たちにとってひとつの指標にもなりますし、美術館や文化施設が取り扱っているケースも多いので一般への露出も期待できます。

また、メディア掲載は先方からのアプローチによるものだけだと思っていませんか?実際、有名な媒体でない限りビッグネームのインタビューやコンテンツを、湯水の如く期待のアーティストを発掘できるわけではなく、メディア側も探しているんです。実際に日本語の情報で海外の出版系公募情報がどこまで知られているか分かりませんが、海外での展示以外でキャリアアップにつながる公募のひとつでもありますのでアートパフィンで見かけた際には是非一度考えてみてください。カテゴリは“コンペ”になります。今回は出版系公募の種類と、意外と恐れる必要のない掲載までのプロセスについて説明します。

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4. TOP10 現代アートマガジン

今回は世界のTOP10現代アートマガジンと称し、これらに掲載されたらグッと箔が付くよ、ひとつの指標としてCVなどでも有効に働くよ、というクラスの世界の現代アート“雑誌”を紹介します。オンラインマガジンではなく、印刷出版されるマガジンに絞りお届けします。

紹介順に順位など優劣はなく、アルファベット順に並んでいます。英語であること、メディアとしてアート界を牽引している、キャリアのあるアートプロフェッショナルが記事を寄稿していること、美術館や著名なギャラリーで取り扱われていること、などを基準に選定しています。

1. Aesthetica Magazine

2002年創刊のイギリスの現代アートマガジンで、50万人以上の読者を誇る、世界で最も読まれているアートマガジンの一つ。アートだけではなく、映画や音楽などのコンテンツも取り上げている。Aesthetica Magazine の売りはなんといっても圧倒的なビジュアルイメージで、プリントクオリティと掲載作品のイメージの美しさが、アート界でのポジションを確固たるものにしている。イギリスではテートモダンやRAなどのトップミュージアムで取り扱われている。また、毎年世界のトップ20、125のアーティストを選出する Aesthetica Art Prize や Aesthetica Short Film Festival、Aesthetica Creative Writing Award など、発信だけではなく、場作りや才能発掘でも広く知られている。

2. Apollo Magazine

1925年創刊の世界で最も歴史あるアートマガジン。現代アートにフォーカスした深みのあるコンテンツで知られ、最新のトピックからトレンド、潮流まで掴むことができる。アーティストやコレクター、その他のアートプロフェッショナルたちへの内容の濃いインタビュー記事も高く評価されており、マーケット情報やアートコレクションに関する洞察も得られることから、

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5. AiRのススメ

▶︎ Artist in Residence - アーティスト・イン・レジデンスってなに?

アートパフィンに興味を持ってくださっている方の多くがご存知だと思いますが、アーティスト・イン・レジデンス(以下 AiR ) とは、アーティストの制作・キャリアサポートのプログラムのひとつです。参加アーティストは普段のスタジオから離れ、提供される特定の場所に一定期間滞在し制作やリサーチ・ディベロップを行います。よく“エアー” や “レジデンシー” と呼ばれます。日本にもたくさんの AiR があり、日本だとAIR_J 、海外だとRes Artis などがAiRデータベースとして有名でしょうか。

最初のAiRは1900年前後にイギリスやアメリカを中心に、アーティストに対する新しい支援のあり方として生まれました。パトロンたちが自身が所有する建物やアート施設にスタジオを用意しアーティストに制作に勤しんでもらう流れが起きたことが始まりです。同時期に、ヨーロッパではアーティストたちが都会を離れ芸術村を形成し制作拠点とする流れも起こりました。

その後、60年代になるとアーティストのユートピア的なコミュニティを目指すアーティストがレジデンスを形成するグループと、そこから外に開きゲストアーティストを招聘することで、より社会的に変化・刺激をもたらそうとする現在のAiRに近いグループが生まれました。そうして70年、80年代には様々なイニシアチブや団体が興るようになります。

90年代になるとグローバリゼーションの影響で、世界各国に思想や理念も様々で個性的な AiR の波及が起こり、00年代はより人の行き来が簡単になったことで国際交流の側面を持ち始め、美術館やアート機関、行政が AiR を主催するようになってきた頃です。2010年代以降はより特定のトピックや、リサーチにフォーカスした AiR など、アートを触媒として社会や土地を深く洞察・理解するための手法のひとつにもなってきています。

▶︎ なぜ AiR のススメなのか

まずは、美術館・アート機関・行政・有名民間 AiR への参加は賞や展示と同じくらいの価値を持っていることと、公募に応募する際に必ずといっていいほど提出を求められるCV/レジュメにおいても、AiR の経歴は大きな意味を持ちます。それだけでなく、展示、ワークショップ、出版やメディア露出があるケースもよくあることもポイントです。1度のAiR参加でCVに書ける項目が複数できることもあります。

次に、本来の意味である滞在制作することで作品が作れる、リサーチ・ディベロップができることにあります。より強調したいのは、AiRはいつもの制作環境ではない場所で行うため、限られた時間と共に、その場所性が付加されることで自身の境界が外的要因によって広がることがよくあります。その土地をより深く知り、そこを訪れたから、出会ったから作れる作品や習得できる技術がアーティストとして深みと広がりをもたらしてくれるのです。

そして、ネットワーク形成でしょう。AiRは展示で他国や他の地域を訪れることとはまた違った側面を持ちます。国内・海外関係なく、どこかに一定期間滞在するということは、あるコミュニティに属すことでもあります。そして多くのAiRはその土地の特色や産業、人脈といった様々なローカル資源を提供してくれます。また、他にレジデントアーティストがいる場合は、異なる背景のアーティストと交流することで、クリエイティブな相互作用が生まれやすく、AiR終了後もワールドワイドなネットワークへと広がっていきます。いい作品を作り続けることと同じかそれ以上に、人とのネットワークは私たちのキャリアにとってかけがえのないものです。

▶︎ AiR の種類

最初に触れた通り、AiR の形態は多岐に渡ります。ですが、その中でも大きく3つに分けて説明していきます。

① 全額助成のAiR
制作スタジオや工場、図書館等の施設・宿泊施設・制作費・アーティスト料・時には交通渡航費も全てカバーされる AiR です。この条件で募集している機関はオススメのひとつ目に挙げている美術館・アート機関・行政・財団 AiR が多いです。

② 制作スタジオ・宿泊施設の無償提供
運営が所有している施設は無償で提供し、制作費や生活費は自己負担という AiR です。

③ 全額自己負担
AiR 参加に係る経費が全て自己負担の AiR です。

この3パターンが主要なスタイルと言っていいでしょう。ここに、最後に展示があったり、出版があったり、メディア露出・掲載などが加わることも多くあります。そして、どのAiRに応募するかは個人で違うと思います。①がベストであることは間違いないですが、その分必然的に競争率は高いことが多いです。

▶︎ アートパフィンの掲載 AiR について

アートパフィンでは基本的に①と②を中心に掲載しています。というのも、このアートパフィンもアーティストによって運営されているので、できるだけアーティストの経済的負担が少ない公募を紹介したいという思いがあります。(そして世界には有名でなくてもこれだけ負担が少なく参加できる AiR があることも知ってほしい…! )

日本でもACAC、ARCUSやPARADISEなど、世界からも注目されている AiR はありますが、海外に目を向けるとジャンルや特色などバラエティに富んだ①②の AiR がたくさんあります。①はもちろん採択されれば最高なのは言うまでもありませんが、②でも相当なサポートです。アートパフィンでは①②を積極的に紹介していきます。ですが、③も大きな選択肢の一つです。宿泊施設代や展示や宣伝、設備・機材など、そのAiRが提供してくれる物質的な環境を自分で整えようとするといくらかかるのかをまず計算してみましょう。すると意外と設定額は相場よりだいぶ低く設定されている場合もありますので、自分の予算と相談して価値があると思ったら応募してみて下さい。ということで今回はAiRについて書いてみました。定期的に AiR カテゴリもチェックして下さいね!

▶︎ 世界の注目 AiR 14選

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6. アンケートQ&A

アートパフィンでは、ホームのリンクからアンケートのご協力をお願いしています。2025年8月時点で、170件を超える回答が集まりました。本当にありがとうございます!

今回はアンケートの「自由記入欄」に寄せられた声の中から、アートパフィンの守備範囲内のお悩みにお返事していきます。悩みや不安を少しでも解消できれば嬉しいですし、こちらで頂く励ましの言葉は大きな力になっています。

目次

- 言語の壁

- 年齢制限

- 行動につながる場

- AiRの条件

- 倍率

- 作品発送・送料

- 海外公募の信頼性

- 学歴

- 助成金

- 海外送金

▶︎ 海外公募は言語の壁が大きい

「言語能力が無いと不可能に近く、とても不利に感じる」

気持ちはとてもわかります。ですが今の翻訳アプリやAIの進化は目覚ましく、会話が発生しない公募なら言語の壁はかなり低くなっています。実際に英語堪能者やネイティブも書類作成で積極的に使っています。ぜひ活用してください。

ただし、問題が「言語化能力」である場合は別です。国内外のAiRや助成金では、言葉で説明する力が必須です。AIを使うにも、適切なプロンプトを考える力が必要になります。言葉で表現するトレーニングとして、TIPS記事やポッドキャスト nest talk#1, #5 を参考にしてみてください。

▶︎ 年齢制限が多い

「これまでは情報を探しにくかった。年齢制限が多いのも不満」

日本では35歳が一つの壁になっています。私自身も34歳なので共感します。ですが海外公募は18歳以上であれば年齢制限がないケースが多く、条件があっても「3年、5年以上の経験」などキャリア年数を条件にしているものが目立ちます。

「若手かどうかは年齢じゃなくキャリアの長さ。歳を重ねたヤングアーティストもいるわけですから」と nest talk #4 でファン・ゴッホAiRのロンさんも語っていました。年齢制限で諦める前に、ぜひ海外公募を検討してください。各公募詳細ページの最下部【応募条件】をご確認ください。

▶︎ 行動につながる場がほしい

「情報が得られる時点で大きな前進だけど、行動が変わらないかも。作業会などがあれば参加したい」

オンライン学習会や質疑応答ライブの企画を検討中です。準備が整い次第、アナウンスします!


▶︎ 生活できる条件のAiRを探したい

アートパフィンに掲載しているAiRの多くは、スタジオ・宿泊施設込みで参加費無料。さらに渡航費や制作費、助成金が支給されるものも多いです。随時追加されますのでチェックしてみてください。

▶︎ 倍率が知りたい

倍率を公表している公募は少なく、事前に把握するのは難しいです。ですが応募ページに前年の応募件数を記載している公募も少なからずあります。その場合は積極的に記載していきます。また公募に関するインスタ投稿の「いいね」数や拡散状況、フィードを遡ってみて前年の募集投稿前後に応募数の記載が無いかチェックするなどのリサーチからある程度推測できるケースもあります。アートパフィンでは現状そこまでカバーは出来ないので、上記の方法でリサーチして見てください。

▶︎ 作品発送・送料が不安

「輸送が不安」「高額な発送コストをどうにかしたい」「応募の際にかかる送料や保険が一番の懸念」

輸送コストは大きな課題です。輸送費や経費を負担してくれる公募もあるので、応募要項を必ず確認してください。nest talk でも今後、日本拠点→海外展示に長けたゲストを招いて詳しく扱うエピソードを設けます。応募で作品発送という条件の公募はあまりに応募者のリスクが大きいため掲載していません。

▶︎ 海外公募の信頼性が不安

「日本語なら怪しさを見抜けても、海外だと難しい」「スキャムを見抜くほどの知見がない」という声を多くいただきます。

「ヴァニティギャラリー」と呼ばれる、高額な出展料を取るだけでアーティストの利益につながらない公募には細心の注意が必要です。経歴にも傷がつく恐れがあります。アートパフィンでは細心の注意を払って掲載段階で除外するよう努めていますが、他のメジャーなプラットフォームでは我々は除外する公募が載っている場合も散見されますので利用する際は気をつけてください。

▶︎ 学歴が不安

「美大を出ていないので、学歴を考慮しない公募が知りたい」

美大・芸大卒を条件にしている公募はほとんどありません。実際、独学でキャリアを拓いてきた作家さんも多いですし、逆に強みになることも少なくありません。海外の事例だと「self taught artist」などと検索すると多くのロールモデルが出てきますので、どんどん挑戦してほしいと思います。研究寄りの公募で「修士・博士保有者」という公募はたまにあります。


▶︎ 海外展示は費用がかかるので助成金情報を併せて知りたい

展示費用や渡航費に応募できる助成金も積極的に紹介しています。さらに8月後半からは、一部公募ページに「注目ポイントやオススメ理由」をコメント形式で追記しています。その際、親和性の高い助成金などはリンクも合わせて載せていきます。

▶︎ 海外送金をどうするか

送金には Wise と Stripe を推奨します。どちらも個人利用がすぐに可能です。

  • Wise:手数料が安く、即時着金、デビットカードも発行可能。海外活動を視野に入れるなら必須。賞金や売り上げが Wise 経由なことも多い。

  • Stripe:ギャラリーを介さず個人間取引を行う場合に最適。安全性も高い。

Paypalも選択肢ですが、数年前に欧米アート界隈で詐欺が横行したため、推奨度は下げています。

▶︎ まとめ

今回紹介した声が少しでも役に立てれば幸いです。アンケートを通じていただいたご意見は、今後のサービス改善や新しい企画に反映していきます。

こちらのフォームからもご意見、ご相談を受け付けておりますので、引き続き、皆さんの声をお待ちしています!

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