nest talk

アート公募に実際に採択されたアーティストや公募の主催者を招き、双方の視点から公募を深掘りするポッドキャストです。ここではインタビュー記事とポッドキャストの両方を配信しています。


#7 artPuffinで動き出した国際的キャリア – 足立涼 / 写真家 –
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#7 artPuffinで動き出した国際的キャリア – 足立涼 / 写真家 –

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第7回は、東京を拠点に活動されている写真家、足立涼(あだちりょう)さんをゲストに迎え、アートパフィンを機に動き出した国際的なキャリアについてお伺いしました。初めての海外アート公募への挑戦と採択された作品や制作について伺いました。

足立涼さんの website / Instagram

——— artPuffin
今回のゲストはアートパフィンを使い始めてまもなく、出版系公募に通られたという写真家の足立涼さんをお迎えしています。足立さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

——— 足立涼

よろしくお願いします。足立です。

——— まずは足立さんの活動について簡単に自己紹介をお願いいたします。

東京を中心にして写真家として活動をしています。写真が持つ映像をメディアの特性であったりとか、写真が持つ同時性、全く別の時間だったり、全く別の場所のものが、写真というメディアを通すことで一つの場所に集まってくるという、そういった特性にすごく興味があって、写真を使って作品の制作をしています。よろしくお願いします。

——— 元々は名古屋にずっとお住まいで活動されていて、去年東京に引っ越しされたんですよね。

そうですね。元々愛知の大学を出て、そのまま名古屋に住んでたんですけど、写真制作活動していく中で情報だったりとか、単純に活動の幅を大きく広げたいということもあって、東京に引っ越すという選択になりましたね。

——— そのタイミングで公募を考え始めたっていう形だったんですか。

そうですね。その頃には新しい作品の方向性が見えてきていた時期でもあったので、作品が固まってきたっていうところが大きくて、そこから公募に応募して、東京に引っ越したことプラス公募展での活動の幅の広げ方みたいなところを考え出した時期ではあったと思いますね。

——— 足立さんはアートパフィンを使う前から、国内外のコンペには応募されていたんでしょうか。

そうですね。おすすめというか、こういうのもあるよみたいなお話は何度か伺ってたんですけど、なかなか自分でリアリティーを持って、これに応募しようみたいな気持ちになるようなことがなくて。ちょうどその知人を通して、アートパフィンのお話を伺ったことがきっかけで、少し応募してみようかなっていう気になりました。やっぱりちょっと英語に疎いところがあるので、日本語でわかりやすくまとめられていてハードルが極端に下がっているところが魅力的だなと思って使わせていただきましたね。

——— アートパフィンを使う前は自分から積極的に探すというよりは、誰かから聞いて興味があった場合は応募するような形だったんですかね。

そうですね。ただ、去年、一昨年あたりまではそんなに作家として(時間を)割こうという気持ちがまだそんなになかったところがあって。なので、知ってはいたけど、なかなか応募して、自分の活動を飛躍させていくみたいな方向になかなか興味が湧いてなかった時期が長かったですかね。

とにかく自分で作品を作るっていうところに焦点を当てていたと思うので。そのハードルを下げてくれるようなところがすごく良かったんじゃないかなと思いますね。気軽に応募してみようって思えたっていうのがあって。

——— アートパフィンを使い始めて、実際に応募していくまで、どんな感じで準備されていたんでしょうか。

そうですね。特に今回応募させていただいた作品というのが、実はもう2年ぐらい前から作品としてまとめていこうという気持ちで作業はしていて。

今年、年内に写真集を刊行しようと思っていて、その写真集の作業の中でステートメントを書いて、作品のコンセプトを固めてっていうことが今年に入ってからかなり形になってきた時期でもあったので、作品の全体像がすごく自分の中で明確化したところがあって。

そこでアートパフィンのサイトでいろいろ公募情報を拝見していく中で、これだったら応募できそうだなというか、今まで固めてた作品をそのまま出す形でも応募できるものを見つけたというのもあり、応募したという感じです。

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#6 AiRの意義・書類作成の重要さ!アーティスト座談会 with 佐藤未来&不破大睦 -後編-
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#6 AiRの意義・書類作成の重要さ!アーティスト座談会 with 佐藤未来&不破大睦 -後編-

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第6回は、前回に引き続きオランダ・アムステルダムを拠点に活動されているアーティスト、佐藤未来(さとう みく)さんと不破大睦(ふわ だいち)さんをゲストに迎え、artPuffinチームとのカジュアルな座談会をお届けします。公募やAiRの探し方、AiRが与えたキャリアへの好影響について、経験豊富なお二人にじっくり伺いました。

関連リンク

佐藤未来さんの ⁠⁠⁠⁠website⁠⁠⁠⁠ / ⁠⁠⁠⁠Instagram⁠⁠⁠⁠

不破大睦さんの ⁠⁠⁠⁠website⁠⁠⁠⁠ / ⁠⁠⁠⁠Instagram⁠⁠⁠

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artPuffin 坊上

ちょっと話が戻るんですが、先ほどの友達の話で思い出したことがあって。大学時代、隣の席だった友人が今、海外でかなり活躍しているんですね。その友人にアムステルダムで初めて会ったときに、公募についてのアドバイスをもらったのを、今ふと思い出しました。

不破さんが最初に通ったレジデンスがハンガリーだったと言っていましたけど、僕も実は初めて通った公募がハンガリーだったんです。その友人が「東欧が絶対いい」と強く勧めてくれて。言い方に語弊があるかもしれませんが、「東欧は際立ちやすい」と。東欧の公募に応募してくる人の母数自体が少ないから。ロンドンやアムステルダム、ベルリン、パリといった主要都市はやはり競争率が高く、みんなそこを目指してくる。
でも、自分のキャリアがまだ浅く、CVに書けるような実績が少ない段階でそういう都市に挑戦するのは、採択される確率は下がる。だから、確率の面から考えても、東欧は競争率が比較的低く、さらに日本人としてスタンドアウトしやすいという点で、最初の一歩としては良い選択肢になると思います。

不破大睦

ハンガリーに限って言えば、中国系の企業が多くて、アジア人自体はブダペストにはけっこういました。でも、僕が滞在していたのはリゾート地のような避暑地で、そこでは本当にアジア人が誰もいなくて、文字通り際立っていたと思います。

ヨーロッパではあるけれど、西ヨーロッパとは人々の性質がまったく違う印象がありましたね。ロシアの影響もあるし、経済的な背景もあるけれど、特にオランダのように「問題は起きてから考えよう」とする楽観的な文化とはまったく違っていて。
ハンガリーのアーティストたちは日々の生活に直面している感覚が強くて、そういう考え方が自分にはすごく近いなと感じました。ヨーロッパって一括りにされがちだけど、国によって歴史も価値観もまったく違いますよね。だから、もっと他の東欧の国にも行ってみたいと思っています。

旅行先としても、東欧を選ぶ人ってあまり多くないですしね。

artPuffin 坊上

でも、公募を見ていると本当にたくさんありますよ。最近だとリトアニアがすごく多いです。ラトビアなどのバルト三国も増えてきてますし、ハンガリーも公募が多い。

不破大睦

ちなみに、お二人はレジデンスを探すとき、どういう風に探していますか?国で選ぶのか、それとも自分のプロジェクトとの関連性で選ぶのか。検索の仕方なども知りたいです。

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#5 助成金応募のコツって?アーティスト座談会 with 佐藤未来 & 不破大睦
アートパフィン アートパフィン

#5 助成金応募のコツって?アーティスト座談会 with 佐藤未来 & 不破大睦

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今回は、オランダ・アムステルダムを拠点に活動されているアーティスト、佐藤未来(さとう みく)さんと不破大睦(ふわ だいち)さんをゲストに迎え、artPuffinチームとのカジュアルな座談会をお届けします。助成金やアーティスト・イン・レジデンスへの応募のコツ、そしてキャリア形成の実情について、経験豊富なお二人にじっくり伺いました。

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佐藤未来さんは、武蔵野美術大学油絵学科卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻を修了。2019年には文化庁新進芸術家海外研修制度のフェローとして渡蘭。フィールドワークを起点に、映像やインスタレーション、参加型アクションを通して現地の人々と協働しながら、ジャーナリズムとは異なる語りの形を模索。近年は食文化、政治、フェミニズムといったテーマに注目し、それらの交差点にアプローチしています。
website⁠⁠⁠ / ⁠⁠⁠Instagram⁠⁠⁠

不破大睦さんは、多摩美術大学工芸学科ガラス専攻卒業後、企業でデザイナー兼アーティストとして勤務。2023年にオランダ・ヘリット・リートフェルト・アカデミーのラージグラスデパートメントを修了。国境、時間、ジェンダー、温度などに関わる視覚的・概念的な「境界」をテーマに、社会の成り立ちや他者との違いについて問いを投げかけています。
website⁠⁠⁠ / ⁠⁠⁠Instagram

助成金の“コツ”って?————

artPuffin 坊上
いろんな方が「助成金はコツだよ」って口を揃えて言うんですよね。でもその“コツ”って、一体何なんでしょう?

佐藤未来
私もはっきりは分からないんですけど、人から聞いて納得したアドバイスがあります。たとえば「作品を作りたいからお金をください」と素直に書くと、「それならアルバイトしてやればいいのでは?」と思われてしまうことがある。だから、

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#4 審査側の採択基準やポイント – Van Gogh AiR / オランダ –
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#4 審査側の採択基準やポイント – Van Gogh AiR / オランダ –

第4回は前回に引き続き、Van Gogh AiRのお二人にお話を伺います。今回は応募やアーティストに期待していることなど、他の公募にも役立つ実践的な内容を深掘りしていきます。

———日本のアーティストとの交流が始まったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?

エヴァ:
実はゴッホの手紙を読んでいて、彼が本当は日本に行きたかったけど行けなかった、という話を見つけたんです。それと同時に、偶然、今ではもう偶然じゃないと思っていますが、レジデンシーに来るアーティストの多くが、すでに日本に行ったことがあったり、日本に行きたいと思っていたりするんです。さらに、日本からの応募も増えてきていて。だから、「これは何かもっと深い繋がりがあるな」って思い始めて…ゴッホが残したわずかな文章以上に、何か必然性がある気がするんです。

ロン:
うん、たしか最初に日本に行ったのは、1年半くらい前だったかな。最初は「ちょっと探索してみよう」くらいの感じで、なにか目的があったわけではなかったんです。でも、たまたま本当に良いタイミングで行ったんだと思います。大使館に行ってみたら、ちょうど日本とオランダの文化をつなぐ新しい方法を探しているところでした。そんな中で、このレジデンス・プログラムはアーティストを送り出したり受け入れたりできる、まさに理想的な手段だったんです。私たちにとっても、それは自然な流れで起こったことでとてもワクワクする展開でした。

エヴァ:
ゴッホ自身が夢見ていた「日本」への想いとも繋がっているし、私たちにとってもすごく意味のあることです。

ロン:
ヨーロッパでのゴッホの足跡は、オランダ、ベルギー、フランス、イギリスなんですが、彼が行けなかった「憧れの日本」も私たちにとっては“ゴッホゆかりの地”の一つになっているんです。そしてちょうどその時期、東京のSOMPO美術館でゴッホ展が開かれて、私たちも招待されたんです。あそこには「黄色いひまわり」のもうひとつのバージョンがありますよね。だから、日本との繋がりはとても自然だったし、今年もまた2つの大きなゴッホ展が日本を巡回する予定があるので、これからもこの繋がりは続いていくと思います。

———今は日本とのコネクションを通じてアーティストを選んでいるとのことでしたが、将来的にまたオープンコール(公募)を行う可能性はありますか?あるいは、アーティストが自発的に参加を希望する方法はあるのでしょうか?(2024年までは2年ごとに2年分の公募を開催していた)

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#3 海外公募主催者に聞こう! – Van Gogh AiR / オランダ
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#3 海外公募主催者に聞こう! – Van Gogh AiR / オランダ

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第3回は世界で最も有名な画家の一人である、フィンセント・ファン・ゴッホの生家で現在はファン・ゴッホ・ハウス美術館が運営するアーティスト・イン・レジデンス「Van Gogh AiR」を訪ね、館長のロンさんとキュレーターのエヴァさんに Van Gogh AiR についてお話を伺います。そして、Van Gogh AiR からアートパフィンのメンバーの皆さまへ、と貴重なデジタル図録をプレゼントしていただきました。記事の最後にあるリンクから閲覧&ダウンロードができますので是非お楽しみください。

——— まずこのレジデンシー・プログラムについてお話を始める前に、お二人の自己紹介をお願いできますか?

エヴァ:
エヴァ・ヘーネ(Eva Geene)です。Van Gogh Airのアーティスト・イン・レジデンスのキュレーターを務めています。プログラムの立ち上げ当初からこの仕事をしています。私たちはフィンセント・ファン・ゴッホの生誕地にある美術館で活動しています。彼が生まれ、16年間過ごした場所です。このレジデンシー・プログラムは、もう15年近く続いています。美術館では、ゴッホの作品のテーマや彼に影響を受けたアーティストに基づいた展覧会も開催しています。

ロン:
私はロン・デルフェン(Ron Dirven)です。Van Gogh Houseのディレクターであり、エヴァと共にこのレジデンシー・プログラムのキュレーターも務めています。ここでは展覧会を開催しており、常設展としてゴッホの遺産についての展示を行っています。また、現代のアーティストがゴッホから影響を受けた作品も展示しています。そのためにレジデンシー・プログラムを運営しており、アーティスト用のスタジオを2つ設けています。一つはすぐ近くの元教会管理人の家にあり、もう一つは自然の中にある、古いフランドルの納屋にあり、元管理人の家よりさらに大きな建物です。私たちのレジデンスプログラムは、ここだけでなく、他の場所で展示を行うこともあります。

——— このプログラムの目的について、もう少し詳しく説明していただけますか?

エヴァ:
はい。フィンセント・ファン・ゴッホはこのズンデルトという場所で生まれ、重要な時間をここで過ごしました。彼はこの地での思い出を良く覚えていて、たくさん歩き回り、兄弟姉妹たちと楽しい時間を過ごしていました。
生家そのものはもう残っていませんが、その精神は今もここに息づいています。
私たちがこのプログラムで目指しているのは、ゴッホが今もある意味「生きている」ということを示すことです。彼のインスピレーションや創作への姿勢は、他の人々を通して今も生き続けているんです。

ロン:
そうですね、もちろんゴッホは歴史的な人物で、19世紀の人間です。でもある意味、彼はいまなお「現代的」だと思います。多くの人々にとって、今でも心を惹かれる存在です。このレジデンシー・プログラムを通して、私たちはゴッホを現代の世代、特に若い世代やこれからの新しい世代と結びつけたいと考えています。それが、ゴッホの遺産を今も意味あるものとして保ち続ける良い方法だと思っています。
さらに、彼はとても多くの手紙を残してくれたので、彼の気持ちや若い頃の生活についてもよく知ることができます。そのようなゴッホの個人的な側面や生きた風景を、アーティストたちがこの土地とつながることで体感し、表現していくことが大切だと考えています。

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#2 AiRが制作に与えた影響 – cobird / 現代美術家
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#2 AiRが制作に与えた影響 – cobird / 現代美術家

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———artPuffin

第二回は前回に引き続き、cobirdさんをお迎えし、cobirdさんのアートプラクティスに焦点を当てて、いろいろとお話を伺っていきます。cobirdさん後編もどうぞよろしくお願いいたします。


cobird:よろしくお願いします。

———まずはcobirdさんがどのように制作と向き合っているのかお伺いしたいのですが。

サラリーマンでデザインの業務に携わってきたのが長かったってご説明をしたとは思うんですけども、当初そのサラリーマンを辞めたっていう部分もあって反発的というか、反対に自己探求とか純粋な表現とは何かみたいなものを考えてた時期は最初の方に本当にありましたけど、やり続けてみれば

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#1 海外AiR採択への道 – cobird / 現代美術家
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#1 海外AiR採択への道 – cobird / 現代美術家

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——— artPuffin

記念すべき第1回のゲストは、現代美術家のcobirdさんです。

cobirdさんは、もともとアパレルデザイナーとして約10年活動された後、現代美術の世界へ転向されました。以降、国内外のレジデンスプログラムに参加し、数々の個展を開催されています。

大学でデザインを学んだ後、アパレルメーカーにてデザイン業務に従事しながら、生地や編み物の基礎を習得されました。繊維の織に精通するほか、90年代のストリートカルチャーに強く影響を受け、特にヒップホップやラップのサンプリング技法に魅了されます。

インターネットなどから引用したビジュルを印刷した紙や、既存にある日常的な素材を縦横の短冊状にカッターで切り刻み、手作業で織物の組織のように一本ずつ交互に差し込むことで形成したコラージュ作品を主に発表しています。

これまで多くの国内外の展覧会、アーティストインレジデンスに参加し、音楽や映画分野への作品提供など多岐にわたってご活躍されています。cobirdさん、本日はよろしくお願いいたします。

cobird:よろしくお願いします、こちらこそ。

———では改めてcobirdさんのアートプラクテスについてお伺いしたいんですが

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